世界のトイレ情報

 

■トイレの神様
 日本人は神々しいものはみんな神様に見えてしまうようで、昔から御利益のありそうな神様は石だろうが木だろうが他の宗教の神様だろうがなんでもかんでもあがめたてまつり、八百万(やおよろず)の神様を信じてきました。そんな宗教的背景を持つ日本のことですからこんな神様がいてもちっともおかしくないのですが、ホントにトイレの神様がいるとは知りませんでした。伊豆にある明徳寺に祀られている烏樞沙摩(うすさま)明王がそれです。
■いざ、明徳寺へ
 明徳寺は伊豆半島のほぼ中央部の湯ヶ島にあり、国道136号から旧道に入ってすぐのところにあります。おみやげもの屋を兼ねた山門を入って参道を登っていくとほどなく境内に到着します。縁起と貼ってあった新聞記事によると、明徳寺は正式名称を「金龍山明徳寺」といい開創は明徳2年(1391年)、江戸時代に曹洞宗に改宗して以来500年、不浄を清めるという徳からトイレの守護神、烏樞沙摩(うすさま)明王を祀っているのだそうです。こちらの方があまりに有名になってしまっていますが、ご本尊は拈華(ねんげ)釈迦牟尼仏で、ちゃんとしたお寺さんです。

境内に入ってすぐ右側に右の写真のような「うすさま明王堂」があります。お寺なのでぶら下がっているのは鈴ではなく銅鑼でした。右の売店ではご祈祷済み、明徳寺の名の縫い込み済みの下着類が売っています。

この裏手の昔のトイレに烏樞沙摩(うすさま)明王が祀られています。烏樞沙摩に祈りを捧げるときに唱えるべき真言(しんごん)は「オン クロダノ ウンジャク ソワカ」だそうです。ちゃんと真言があるんですね!
 これが烏樞沙摩(うすさま)明王を祀ってある昔のトイレです。わかりにくいですが、右下の格子になっている部分がトイレの溝です。この部分をまたぎながら健康を祈ります。この部屋には男性器や女性器の形をした木や石などが奉納され、「おさすり」として、やはり健康祈願のシンボルになっています。

 ここで浮かんでくるのは「なぜ仏教のお寺でトイレの神様なのか」また「なぜトイレの神様なんてものが存在するのか」という疑問です。
 最初の疑問ですが、調べてみるとトイレは曹洞宗では「東司(とうす)」と いい、「僧堂」、「浴室」とともに「三黙道場」のひとつなのだそうです。すな わち、身を清め世の不浄が清められるようにと祈る場なのだそうです。同じ曹洞 宗の永平寺のホームページ の東司 の説明が詳しいです。また、その作法については松門寺のホームページ の「正法眼藏第五十四 洗淨」に詳しく載っています。興味のある方はお訪ね下さい。
 二番目の疑問は貼ってあった新聞記事で氷解しました。つまり、「下の世話にならない健康な毎日を願う」人々がここに参るのだそうです。高齢や病気などの理由でどうしても失禁などがあり、それを悩む人々はたくさんいるわけです。また、そうならないようにと健康を祈る方もいるでしょう。絵馬を拝見すると子供のおねしょが直るようにと願う母親もいらっしゃるようです。なぜトイレの神様がという疑問にすぐに答えが見つからないほど私たちは日々下の悩みなく暮らしていた訳です。これは考えてみればたいへん幸せなことです。そんな幸せがいつまでも続くように私たちも真言を唱え、おさすりして帰りました。


■あの企業の方々に遭遇!

 帰りがけ参道を下っていると、正面から団体さんがやってきました。トイレの神様に団体でお参りに来るなんてどこの物好きだろうと思っていたら、駐車場まで下ってきて納得。東陶機器、つまりTOTOの方々でした。売り上げアップでも祈願したのでしょうか。日本の便器界ではクリーンで最先端なトップ企業のイメージのTOTOですが、こうした地道な活動(?)もあってのものなのですね。みごとにオチのついた小屋の明徳寺参りでした。

 明徳寺について詳しく知りたい方は伊豆観光21世紀プラン推進協議会提供 の「 ゆうゆうネットIZU 」内、天城湯ヶ島町の名所案内に記述があります。

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